■ 親指シフト(1) 中国製 Beauty KEYBORD
ワープロ専用機から擬似ニコラへ
以前からMacやWindowsマシンではローマ字入力をしていましたが、文字原稿の作成については、ワープロ専用機OASYS一筋で、長い間、親指シフト入力を続けてきました。
しかし、パソコンやインターネットの普及にしたがって、Word文書やメールで納品することが増え、2年ほど前からついに原稿を書くときもパソコンで作業するようになりました。その際、ローマ字入力では仕事にならないので、パソコンに親指ひゅんＱを入れ、標準添付の日本語106キーボードでニコラ配列の親指シフト入力をするようになりました。
擬似的な親指シフト入力の環境は、OASYSほど快適ではなかったですが、それなりに慣れて苦にならなくなりました。しかし、キーボード自体については、もう少し親指シフトに向いたものがないかなぁ、とずっと気になっていました。
中国製の日本語106キーボード
親指シフトに適したキーボードは、同時打鍵を行うため、キースイッチが軽くて、親指シフトキーとして使えるようなキー配列になっているものが望ましいです。例えば、空白キーが短く、変換・無変換キーが大きいとか。
そんなことを思っていた昨年（1999年）、大須（名古屋）の情報百貨店グットウィルで、999円（安い！）という格安の日本語106キーボードが売っていたので購入してきました。
箱とキーボード本体に「Beauty KEYBORD」とあります。店のレジでもらったレシートには品名が「WKB-112P フルキーボード」とありました。インターネットで探したら、PC PARTS SHOP CUSTOMの通販でも同じ物を特価品（NBK2198 1,280円）として扱っているようです。
このキーボードは、メーカー不詳の中国製フルキーボードでしたが、空白キーが短く右寄りにあるため、無変換キーを左親指シフト、空白キーを右親指シフトとして使えるキー配列になっています。
キーのタッチ感は、パチパチという感じで、いかにも安っぽいのですが、箱の裏側に載っていたスペック（英語）によると、キーストローク3.8±0.3mm、キー過重55±10gという比較的軽い（？）キースイッチで、そこそこ使えるキーボードです。
Beauty KEYBORDの改造
このキーボードは、2、3日そのまま使ったのですが、無変換キー（左親指シフト）と空白キー（右親指シフト）が中央からやや左にズレているのが気になり出し、この辺りを改造することにしました。
改造といっても、キートップを交換するだけの簡単な作業です。ただ、同じキーボードをもうひとつ購入しました。２台のキーボードの部品を使い、１台の親指シフトキーボードに仕立てるためです。２つ購入しても合計2000円と安いので思い立った次第です。(^_^;
改造の方法は、まず、親指領域にある４つのキートップを写真のように外します。キートップの外し方は、マイナスドライバーなどを下側に入れこじると、てこの原理でポコッと取ることができます。単純な構造なので、けっこう乱暴にやっても大丈夫のようです。
次に、部品取り用のキーボードから、CapsLockキーと、右側のShiftキーのキートップを外し、この２つを親指シフト用のキートップとして無変換キーと空白キーがあった穴に挿し込みます。その際、文字の刻印が見苦しいので消します。私はカッターの刃を垂直に立て、ジャガイモの皮を剥くように削り落としました。キースイッチの穴は、目立たない色の厚紙を貼って隠しました。
で、この改造キーボードの使用感ですが、親指シフトキーの感触がイマイチでした。2つの大きな親指シフトキーを中央に配置できたのは良いのですが、キートップの長さが長くなったため、親指で打鍵する場所によってはキートップがこじれてひっかかる事がよくあったのです。長さのあるキートップは、やはり何らかのスタイビライザーのような補助部品を装着しないと安定しないようです。
Beauty KEYBORDの改造 その2
そこで、さらにキートップを入れ替え、あれこれと試行錯誤してみました。
＜親指領域にTabキーを2つ置いたキーボード＞
TabキーはShiftキーより短いので、親指打鍵時にこじれることが少なく、まぁまぁ使えるようになりました。
ただ、TabキーやShiftキーといったキートップは、表面がえぐれているので、キーの角を親指で叩きやすくこじやすいため、キートップを上下逆にしてセットし前側に傾斜させていますが、親指シフトキーとして使うにはあまり適さない形状のようです。
キートップの上にプラ板などを整形して貼りつけ、盛り上がった形にするなどの改造を行えば、理想的な親指シフトのキーボードになるかも知れません。
＜親指領域にコントロールキーと同じ大きさのキーを3つ置いたキーボード＞
刻印なしのキーが3つ並んでいますが、真ん中のキーはダミーで機能していません。親指シフトキーの長さがもう少しあると最高なのですが、ちょうど良いキートップがないので最終的にこのスタイルに落ち着きました。
Beauty KEYBORDの場合、使い心地という点では、このキー配置が最もベストの感触で、引っかかりもなく、かなり快適に親指シフト入力ができるようになりました。予算的にも2000円前後で作れる親指シフトキーボードなので、投資対効果は高いと思います。
このキーボードは、その後、富士通純正の親指シフトキーボードFMV-KB211を購入するまで、けっこう気に入って使い続けました。
ちなみに、ThinkPadでやったように、うっとおしいJISかなの刻印はすべて削り取っています。(^_^;
2000-01-06
