自己変革の裏技- もどる -
■その三 頭を超クリアにする術
- まず、背筋をピンと伸ばす。
- 鼻から空気を思い切り吸い込む。
- 呼吸を止める（20以上を数える）。
- 数えながら、空気がお腹の底に沈んでいくイメージを描く。
- 口から静かに息を吐く。
そう。いわゆる深呼吸である。
しかし、深呼吸ほど、手軽にできて、その効果が絶大なリフレッシュ術（？）というのも珍しい。前に紹介した、「睡魔を滅する術」と同様、深呼吸はそれを行うためのスタイルを問わない、という長所もある。
吸い込むのは口からでも良いし、鼻から吐いてもかまわない。寝たままでもよし、座ったままでもいい。運転中にだってできる。歩きながらでもＯＫだ。
作法にとらわれる必要はまったくない。とにかく、外気を体内に取り込み、新鮮な酸素を頭脳に送ることが肝要なのだ。ダマされたと思って、やってみたら良い。何度か続けると、すぐに実感できるはずだ。
しかし、コツはある。私の場合は、できる限り次のようにしている。
- 空気を吸い込む時、「聖なる天上の世界からエネルギーを授かる」気持ちで“厳か（おごそか）な心境”で吸い込む。ただし、ゆっくりやってはいけない。すばやく吸い込むのだ。
- 反対に、息を吐く時は、「エネルギーをありがとう」という感謝の気持ちで“大地にお返しする”心境で吐くこと。可能な限り、ゆっくりと静かに。
- そして、何度でも繰り返し行うこと。
これを続けると、体調が良い場合は、自分の頭がてっぺんまで、まるで水晶のように透き通った、実に爽快な瞬間を体験することができる。頭の中が超クリア、超クリーン、超ペパーミント（？）状態になる。体調が悪い時でも、ぼんやりした頭がメキメキすっきりしてくる。
深呼吸は、見晴らしの良い高原かどこかでやるだけのものだと思っていたら大間違いである。もちろん、そうした本当に新鮮な空気の中で行うのがベストではあるが、深呼吸は、都会の雑踏の中、地下鉄のホーム、騒々しい工事現場、そうした中でこそ行い、その優れた効果を活用すべきものなのだ。
人間は不思議なもので、疲れた時、気分が滅入った時などに限って、「深呼吸なんかバカらしい」と思うのか、すぐに“深呼吸の気持ち良さ”を忘れてしまう。
最近、地下鉄の車内吊り広告で、「今をリセットしたい。」というような広告コピーを見かけたが、深呼吸には、正にそれに近い効用がある。
別に深呼吸したからといって、損はしない。時間がとられるわけでもない。誰かがバカにするわけでもない。いや、むしろ深呼吸しなきゃ損だと思うくらいのつもりで、やって欲しいものなのだ。
だから、健康な時、深呼吸する。不健康な時も深呼吸する。いつでもどこでも深呼吸する。これが、私おすすめの「頭を超クリアにする術」である。
たかが深呼吸、されど深呼吸なのだ。
1996-10-03