手帳のメモから

■ ディープインパクト


　お盆休みに、映画「ディープインパクト」を家族で観に行った。

　人類滅亡の危機を描いた同じような映画に「インデペンデンスデイ」が
あったが、あのように単純なハッピーエンドにはならない。

　最新の科学技術を駆使した万全の彗星軌道はずし計画は失敗し、大統領
は生き延びる最後の選択として“ノアの方舟”を発表する。

　刻々と迫る危機。その中で、方舟に乗れる人と乗れない人に分けられ、
苦悩していく人々・・・。

　暴動で荒れる街。逃げまどうクルマの群れ。方舟の入口にたかる人々。
そして、衝撃的な津波の映像。主人公の女性レポーターは、父親と抱き合
いながら海岸に立ち、運命に身を任せる・・・。

　高層ビルを次々とのみ込んでいく巨大な津波。若いアベックは、何とか
生き延びようと必死でバイクを飛ばす・・・。

　そんな中、はるか空の上で、最後のギリギリまで、命を賭けて地球を救
おうとする宇宙飛行士たち・・・。

　最後の時を迎えてさまざまな人間が写し出され「あなたならどうする？」
と、まるで問いかけてくるようだ。

　天変地異の前では、人間はこんなにも無力なのかということ。しかし、
無私なる人間がいかに偉大で、はかり知れない力を発揮するかということ。
この映画は、その二つを同時に教えてくれる。

　それにしても、やっぱり地球をこうした状況には置きたくない。もう一
度、今度は一人で観ながら、そのあたりをじっくり考えたいと思った。

1998-08-15