■ 親指シフト(2) PFU社製 Happy Hacking Keyboard Lite
Happy
Hacking
Keyboard
Lite
Happy Hacking Keyboardは、キーボードに関心のある人なら、一度は思いを寄せるキーボードでしょう。
フルキーボードのキーピッチはそのままに、テンキーやファンクションキー、カーソルキーまでも省いて、必要最小限のキーをなんとA4判タテ1/2のスペースに配置した非常にコンパクトなキーボードです。
東京大学の和田教授による開発コンセプトもバリバリで、論文を読んでから私も憧れのキーボードになっていました。しかし、価格が高いのと、自分が親指シフターであるため、購入しても使わないことが明白なので、指をくわえてホームページなどで眺めているだけでした。
ところが昨年（1999年）、Happy Hacking Keyboard Liteという廉価版が発売され、潜在的な購入意欲が高まっていました。そして、運の悪いことに、大須（名古屋市）のパソコンショップめぐりをしていた時、大きなキーボード達に囲まれてポツンと床に置かれていた実物のHappy Hacking Keyboard Liteと思いがけない出会いを果たしてしまったのです。
そんなシチュエーションで遭遇すると、もうダメです。そのあまりにも小さなサイズとカッコ良さにひと目ぼれして、案の定、衝動買いしてしまいました。(^_^;
◇ ◇
キーの感触は、クリック感がはっきりしていて、しっかりした印象。キースイッチは予想以上に重めでしたが、ローマ字入力なら適度な重さです。上質な仕上げとシンプルで美しいため、キーボードを叩くことが楽しくなる、そんな感覚のキーボードです。
廉価版でこんなに満足度が高いのなら、さぞや上位製品のHappy Hacking Keyboardは使い心地が素晴らしいだろうと思われます。
購入した時が仕事に追われる時期だったので、自分では使わず、とりあえずオフィスでアルバイトに来ていた女の子（ローマ字入力）にしばらくの間、使ってもらいました。下記は彼女の感想。
Happy Hacking 試用感想文
キーボードのサイズが小さく使いやすい。キーボードの幅にあわせて自然に脇がしまるので姿勢までよくなりそうな勢いである。ボタンの数が少ないので、ボタンを探して迷うことも少ない。サイズは小さく、ボタンは少なく、簡単お手軽な感じ。
Ctrl、Alt、◇、シフト、ディレートの位置もほとんど変わらず、おぼえやすい。使っていたら、動作・文字・記号などの一覧表が欲しくなった。お目当ての記号の入力方法がわからないとき、キーボードに簡単なショートカットの表示があるといいな。と、おもった。
◇ ◇
さて、本題の親指シフトとの関係についてはどうでしょうか？
親指シフト化という観点から、このHappy Hacking Keyboard Liteを眺めると、何と言ってもスペースキーが思い切り長いのが致命的です。キースイッチが重いのも、同時打鍵を多用する親指シフトには不向きです。はっきり言って、親指シフト化には最も具合の悪いキーボードの部類に入るでしょう。(^_^;
しかし、まったく親指シフト化ができないかというと、そうでもありませんでした。
親指ひゅんＱの設定を、キーボードは「101キーボード」、親指キーは左右ともに「spaceキー」にして、動作の設定を下のように「濁点/半濁点は後から入力」をチェックしておけば、Happy Hacking Keyboard Liteでも親指シフト入力ができるようになります。
長いスペースキーひとつを、左親指シフトキー、右親指シフトキー、変換キーとして使う方法です。「濁点/半濁点は後から入力」モードになっているので、例えば、「だ」と入力する場合には、［た］キーを打鍵した後に［゛］キーを打鍵するというスタイルになり、1ストローク増える格好です。
それでも実際にやってみると、「がきぐげご」などといった濁音以外は通常の親指シフト入力とまったく同じように打てるので、慣れれば違和感も徐々に消えていくようです。私は3日間ほどこのモードでやってみましたが、そこそこ打てるようになりました。
ただ、キースイッチが重たいということもあって、やはり長時間使うには辛いものがあります。何とか親指シフトでも入力できる、といったレベルです。
日ごろは親指シフトをやっているが、一時的にローマ字入力をしている、それに似た若干のストレスがあるような感じでしょうか。←だったら最初からローマ字入力すればいいじゃん、と言われると困るけど。(^_^;
◇ ◇
ちなみに、Happy Hacking Keyboard Liteのスペースキーを2つにぶった切って、つまり何とか親指シフトキーボードに改造できないかと思い分解してみましたが、スペースキーのキースイッチが真ん中にあり、重いキースイッチについてもゴムシートを使った構造だったので、ちょっと手がでない仕組みになっていました。
フルキーボードと同じキーピッチでこのコンパクトさ。コンセプトが非常に魅力的なので、これの親指タイプがあればなぁと思っている親指シフターは、私だけではないでしょう。
しかし、和田教授の論文の中には、Hacker's用語集からの引用で「こわれた・きーぼーど」の例として「スペースがハーモニカ状態のキーボード」という影響力の凄そうな表現があるので、Happy Hacking Keyboardとしては、将来的にも親指シフトタイプが出る可能性は非常に少ないと思われます。(>_<)
と、思っていたら、Happy Hacking Keyboardにカーソルキーを追加したような、気になるキーボードがPlat'Homeから発売されたようです。(^_^)
これは親指シフトに改造できないでしょうか？ (^_^;
2000-01-06
